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VOL.8 個別受注生産現場で使える工程管理システムの3つのポイントとは?
公開日:2023.11.01|最終更新日:2023/10/31
個別受注生産現場で使える工程管理システムとはなにかを理解するために、まず個別受注生産の特徴や課題を理解する必要があります。
ここでは、金型、試作品、産業機械、治具/工具等の製造現場を例に解説します。
個別受注生産の特徴・課題
個別受注生産とは、顧客からの発注に基づいて個別仕様の製品を生産する形態を指します。顧客の要望に基づいたオーダーメイドの生産を実現することが出来ます。
また、受注後に材料発注するため、見込み生産で必要となる材料の所要量計算や完成品在庫の管理等は原則不要です。
一方で個別受注生産が抱えがちな課題があります。下記に示す通り、日程計画等の工程管理やノウハウ継承等に関する課題が多く見受けられます。
課題1 | 生産単位に仕様が異なるため、設計・製造ノウハウの蓄積が難しく、作業工数や作業手順が属人的になりがち。 | |
課題2 | 個別仕様という性質上、仕様変更が多く発生する・品質チェック後の修正が多いなどの理由から、生産スケジュール管理が難しく納期遅れや後続作業への影響を与えやすい。 | |
課題3 | 生産品別の進捗状況がつかみにくく、仕掛品が後どのくらいの工程や日数で完成するのかすぐにわからない。 |
では、これらの課題に対して、どのような対応をすれば良いのでしょうか。個別受注生産に特化した工程管理システムであれば課題の解決に役立つと考えます。
個別受注生産現場で使える工程管理システムのポイント3点
ポイント1 |
製品毎の仕様に基づいた工程設計が可能であること
※1 繰り返し生産(見込み生産)用工程管理システムでは、あらかじめ品番ごとの部品構成や加工手順・サイクルショット数などが設定されるため、都度部品構成や加工手順・工数が異なる個別受注生産には適さない。 ※2 個別受注生産といってもリピート品やモデルチェンジを受注するケースも多い。また、個別受注生産現場に対する短納期化要求への対応として、過去受注品実績を容易に流用できる機能やパターンからの引用機能が求められる。 |
例:Dr.工程PROの工程入力 Dr.工程PROの工程入力に関する詳しい説明はこちらをご覧下さい。
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ポイント2 |
特急品や仕様変更等に対応した自動スケジューリングが可能であること
※1 適切なリソースへの割当例として、自動機への割付ひとつを見ても、パレットチェンジャー有無、後段取り(中段取り)の考慮、部品サイズに応じた機械の選択などのさまざまな条件設定があり、現場の知見がパラメータ化されている必要がある。 ※2 日程計画の変更に際しては条件設定を加味したいくつかのスケジュール案の比較検討が必要になるケースが多いので、スケジュールの一時保存や比較検討の機能があると便利。 |
例:Dr.工程PROの山崩し画面 |
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ポイント3 |
ポイント3:個別受注生産特有の実績管理に対応していること
※1 例えば数日間に自動加工が及ぶ場合、前段取を行った数日後に別担当が後段取を行うケースがあるため別担当に引き継ぎ、完了操作を行う必要がある。また、複数部品の同時加工への対応や残作業時間の変更など、実績管理の幅は広い。 ※2 仕上げや組み立て工程は対象となる複数部品の進捗把握が必要であるため、前工程の状況が把握しやすいガントチャート形式やパート図形式の実績入力が便利である。 |
例:Dr.工程PROの実績管理 |
当然なことながら、生産現場によって重視するポイントは他にも多くあると思われます。
いずれにしても、自社のもつ生産能力を最大限高めることが工程管理システム導入の目的ですので、それぞれのニーズに合ったシステムを導入することが肝要です。
なお、Dr.工程PROは個別受注生産に特化しており、上記3点をはじめとした重要なポイントを踏まえた製品となっております。