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VOL.9 製造現場に負担をかけない実績収集の仕組み作りとは?
公開日:2024.02.05|最終更新日:2024/02/06
製造現場の生産性の向上、および最適な日程計画作成および納期遵守のためには工程管理システムの導入は欠かせません。
ただし、工程管理システム定着のためには現場の参画が必須です。生産実績が正確かつリアルタイムに投入されることで、
生産現場の進捗の見える化の実現や担当レベルの作業予定の明確化が可能となります。
しかし実際の製造現場では一日分の作業を退社時にまとめて入力、または日報を提出して業務担当が翌日コンピュータ入力するケースが多々見受けられます。
Excel、Access等による実績管理は気軽に利用可能と言うこともあり、とりあえず始めた実績収集がそのまま社内に根付くケースが多いのではないでしょうか。ただし、この方式は入力ミスや入力漏れが発生しやすいだけでなく、進捗の見える化にはつながりません。
個別受注生産の現場では優先順位の異なるさまざまな製番が混在する事が多いので、製番部品単位の加工手順の明確な定義、および納期等の優先順位をもとに最適な日程スケジュールを策定し、
ここの工程に対して実績を投入していく事が重要です。」
実績管理だけの延長線上には、製造現場の見える化・進捗の見える化はありません。
では、製造現場の見える化・進捗の見える化につながる実績入力を、現場作業者の負荷を少なく実現するためには、どのような方法があるのでしょうか?
実績入力の簡易化または自動化による3つの対応策について、特徴やメリット、考慮点を下記にまとめます。
生産実績収集方法 | 特徴 | メリット | デメリットまたは考慮点 |
---|---|---|---|
1.バーコードの利用 | PCに接続したバーコードリーダーを使い、バーコード化された作業工程や使用した機械などの情報を読み取る。 | 多額の投資をせずに実績入力の強化が可能。 | 実績入力の度にPC設置場所へ移動する必要がある。 |
2.携帯端末の利用(スマートフォン/タブレット) | 現場担当への作業指示を携帯端末に表示。カメラの活用により作業を特定するQRコード読み取りが可能。 | PCを設置出来ない製造現場でも実績収集が可能、且つ、手元操作が可能。 | 図面確認などにも共用できる携帯端末の選定が望ましい。 |
3.機械稼働データの活用 | 機械から主に無人加工の完了データを受け取り、実績を計上する方式。機械稼働監視システム等との連携が一般的である。 | 人手を介さず加工完了情報を取得することが可能。 | 稼働収集方式により、コストが大きく異なる。 |
実績収集各方式の改善策1 バーコードの利用例
- 製造部品とともに各工程を回る部品工程表(現品表)に工程単位にバーコードを印刷する等で利用します。
- 製造現場ではキーボード入力の代わりにバーコードをスキャンすることで実績データを取り込みます。
- 一次元バーコードまたは二次元バーコードのどちらかを選択か、どの項目をバーコード化するか等の検討が必要。
→Dr.工程PROでの実際の運用イメージはこちら
実績収集各方式の改善策2 携帯端末(スマートフォン/タブレット)の利用例
- スマートフォン/タブレットを使い、作業指示や実績の把握を簡単かつリアルタイムに実現します。
- 生産管理システムとシームレスに連携して作業指示、実績収集を行います。
- スマートフォン/タブレットで実現すべき機能の検討、スマートフォン/タブレットどちらを対象とするか等検討が必要となります。
→Dr.工程FamilyにおけるWeb実績オプションはこちら
実績収集各方式の改善策3 機械稼働データの活用例
- 主に無人加工の稼働情報を自動収集して生産管理システムの実績データとして取り込みます。
- 機械稼働監視システムと連携して稼働データを収集する方法が一般的です。
- 機械の稼働実績収集方法(稼働管理システム)の選定、や生産管理システムとの連携方法の検討が必要です。
→Dr.工程Familyにおける機械稼働連携オプションはこちら
まとめ
- 製造現場の生産性の向上、および最適な日程計画作成および納期遵守のためには工程管理システムの導入はいまや必須。
- 工程管理システム定着のためには実績データが正確かつリアルタイムに収集出来ることが重要。
- 実績データ収集を支援するための仕組みとして、さまざまな機器活用やシステム連携の方法があるので自社に適した仕組みの検討・選択が必要。
ご参考にしていただき、製造現場の改善にお役立ていただけましたら幸いです。